Month: February 2013

文化に適応する段階

 留学生が外国の文化に適応する過程には、四つの段階があるとPaige, R. Michael, et. al. (2006)は説明している。先ず、文化の違いに気付かなくて適応できない段階、次に、文化の違いに気付いているが適応できない段階、そして、文化の差異に気付いておりそれに適応できる段階を経て、最後に、意識しなくても自然に文化に適応できる状態になるそうだ。私は、三番目の、「文化の差異に気付いておりそれに適応できる」という状態にいると思う。その段階の特徴は、外国の文化について詳しい知識と外国でのさまざまな状況に対応するストラテジーを持つことである。

 私は五年前に、日本に一回きたことある。そのときは初めての文化の違いに気付かなくて適応できない段階だった。それは中学校三年生のときに、文化交流のため、ふたりの先生と十人以上の同級生と一緒に熊本県の山鹿というところに行った。最初の三日に、山鹿中学校の学生の家にホームステイをした。そのときに日本語を話すことは出来なかったので、話したいときには下手な英語、絵そしてジェスチャーで表現することしかできなかった。会話をあきらめることになったことも多かったが、とても楽しかった。日本に来て最初に一番驚いたことは 日本の一軒家の広さである。客室でベッドはいないが、夜のときに畳の上に布団を置きてベッドとして使える。ホームステイの次の日に、温泉ホテルに行った。その夜で友達と遊んでいるときに、友達は不意に壁にぶつかり、壁が壊れてしまった。あとで先生から話を聞くと、日本では地震が多いから壁が非常に薄くてこわれやすいそうである。それでも、十日間は文化の差を気にせず思い切りやりたいことをやってしまった。今振り返ると、食べ歩きとかは全部良いマナーではなかった。

 そして五年後に日本にきたときは五年前より、日本についての知識はかなり増えた。三ヶ月前に日本についたときからはもう「文化の違いに気付いているが適応できない段階」にたどり着いたと思う。街に歩いて周りを見ても、日本人と話しても、すぐ教科書に書いてあった内容を思い出した。一ヶ月前に京都に行ったときに、神社やお寺を見たとすぐ「上級へのとびら」という教科書のあるチャプターの内容を思い出した。そして日本で仏教と神道の曖昧さも気付いた。教科書に書いたもの通りだと思った。しかし、一人で神社やお寺などに行ったときは、神に参る前に手を洗う、口をうがいすることは知らなかった。願いことをしたいが、やることの正しい順番は知らなかった。思った通りに行動することができない自分に腹立った。へこんでもなにもできなかった自分にイライラした。

 今はたぶん、文化の差異に気付いておりそれに適応できる段階にいるではないかと思っている。三ヶ月前に買い物するときに、店員さんに「本店のポイントカードをお持ちではないでしょうか」と聞かれても「もう一回お願いします」という返事しかできなかった。しかし今は店員さんとちゃんと話せる。先週の金曜日はルームメイトのあゆみの誕生日だった。イトーヨーカドーのコージーコーナーというケーキ屋さんに行ってケーキを買うことにした。行く前にインターネットでメニューを調べて欲しいケーキを決めて、コージーコーナーの誕生日サービスも確認した。そしてお店に行って、あゆみが好みのフルーツケーキを注文して、あゆみの名前が付いているチョコレートプレートも作って頂いた。予想通りに作られたバースデーケーキを寮に持って帰って、あゆみにあげた時にすごく喜んでくれた。あゆみの笑顔を見て、私も嬉しくなった。

 日本に来たばかりのころに比べるとさまざまな状況に対応する能力は強くなったと思う。そして、日本の文化についての知識もかなり増えた。自分のコンフォートゾーンから出ることはすごく大事だと思う。新しいことを試すことには知識と能力だけではなく、ずいぶんな勇気も必要だ。やってみないと分からないことはたくさんある。これからも、さまざまなことに挑戦して、自分の経験値を上げたいと思う。