日本のアニメ、マンガなどのポップカルチャーは、今では世界に知られる日本の文化になっている。Garcia(2010)によると、日本のサブカルチャー産業で一番の大成功は一つのメディアから他のメデイアに移植すること、いわゆる「マルチメディア展開」だそうである。今、日本では「初音ミク」というソフトのキャラクターが大流行しているそうだ。私は、初音ミクのブームは面白いと思う。初音ミクのようなメディア移植の例とその影響について調べるため、オタクのメッカ、秋葉原に行って調査をした。
まず、初音ミクというのは、2007年8月31日に発売された、クリプトン・フューチャー・メディアという会社からヤマハが開発した音声合成システム「VOCALOID2」のソフトウェア製品である。このソフトウェアを使って、 女声の歌声を合成することが可能だ。このソフトウェア製品のパッケージに、未来的な感じのかわいい女の子のキャラクターがある。その女の子の名前は、「初音ミク」。ユーザーはソフトを使って曲を作り、YouTubeやニコニコ動画にアップロードする。私が最初に初音ミクを知るきっかけはYouTubeの「VOCALOID2 初音ミクに『Ievan Polkka』を歌わせてみた」というビデオだった。それは初音ミクのソフトの発売日の五日後だった。
今、日本の秋葉原で歩むと、初音ミクの歌が普通に街で聞こえる。私のグループはK-BOOKSという大きなマンガから同人グッズまでの販売店に行った。K-BOOKSの秋葉原本館と新館はAKIBAカルチャーズZONEというビルの一階と二階にある。一階の新館では主な商品はマンガや小説などである。エスカレーターにのって二階の本館に行くと、入り口で迎えているのは初音ミクだ。入り口の正面で、初音ミクのグッズコーナーがある。小さなディスプレーがあって、初音ミクのコンサートのDVD映像を流れていた。初音ミクに一番直接に関する創作、初音ミクに関する音楽創作はとても多いのだ。 初音ミクはVOCALOIDシリーズの最初の作品ではないがいきなりブームになった理由の一つは、今までのVOCALOID製品の中で一番扱いやすいということである。そのコーナーで、初音ミクのストラップ、クリアファイル、CD、コンサートDVDなどさまざまなグッズがあった。
K-BOOKS本館のフィギュアコーナーで、初音ミクのねんどろいどフィギュアを見つけた。それは普通の初音ミクではなく、「千本桜」という有名なミクの曲の初音ミクだった。「千本桜」は和風ロックの曲で、歌詞に明治維新後を思わせる暗喩がある。そして2012年に、レコチョクが実施したユーザー投票による「好きなボカロ曲ランキング」で一位に選ばれた。クリオティがとても高い「千本桜」MVの 中で、ミクは日本軍装でカッコいい。そのフィギュアは軍装姿のミクの 可愛さと格好良さを表し、狂熱的なファンとは言えない私も買いたくなった。
K-BOOKSと言えば同人誌。本館では全部男性向けで、見るのはかなり恥ずかしいが一応同人誌コーナーも通った。同人誌というのはファンがキャラクターをもとにした二次創作の小冊子だ。その中で、成人向けの作品はとても多い。そして初音ミクの同人誌をすぐ見つけることは全然意外ではない。実は、初音ミクのデザイナーKEIさんはミクのマンガを描いたが、クリプトン会社は ユーザーによる創作物において好きなイメージの初音ミクがそれぞれ存在するという状況にしたいので、そのマンガは非公式という扱いになった。
初音ミクはサブカルチャーのキャラクターだが、メジャーメディアに出ることも多くなった。最近では8月に初音ミクとファミリーマートのコラボレーションがあった。初音ミクのイメージに関するおにぎり、パン、肉まんなどコラボ商品が販売された。
もう一つの例は、Supercellという音楽グループだ。Supercellのコンポーザーは歌い手をあまり知らないが、自分が書いた曲を世間に伝えたいので初音ミクを使った。そして彼が書いた何曲もが連続にニコニコ動画で大ブレークし、音楽の才能を世間に注目され、ソニー・ミュージックエンタテインメントによりメジャーデビューする夢を叶えた。
この経験から、日本のサブカルチャー産業で 一つのメディアから他のメデイアに移植することはとても多いことと、そして初音ミクの例はとても成功したということが分かった。