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【重要】東北地方太平洋沖地震について

モントレー国際大学からのお願いです(公式メッセージ)

3月11日に発生した、東北地方太平洋沖地震で被災した皆様に、心からお見舞い申し上げます。また、日本に住んでいるモントレー国際大学の卒業生、家族、友人へ応援のエールを送っています。

卒業生の皆様、もし時間があれば、alumni@miis.eduへ、メールで安否を教えてください。もしくはこのポストにコメントを残していただく形でも大丈夫です。宜しくお願い致します。

原文:
To our MIIS alumni in Japan – Please know that everyone at the Monterey Institute is thinking of our dear alumni and friends there. We all send our thoughts and wishes to you, your families, friends and colleagues during this very difficult time. As time permits, please email alumni@miis.edu and let MIIS know how you are.

管理人 拝

ワークショップ:人身売買

Contributed by Matthew Carpenter 

モントレー国際大学院(MIIS)では、通常提供される四単位の授業のほかに、週末のみ行われる一単位の「ワークショップ」と呼ばれる授業がいくつかあります。最近受けた人身売買についてのワークショップについて、報告します。

人身売買についての講義を行ったのはビル・ヒラー氏。彼はMIIS の教授ではないのですが、何年も前に16歳の娘さんが東南アジアを旅行中拉致され、ヒラー氏は情報を得るために賄賂として使う現金十万ドルをかばんに入れて、六ヶ月間娘に関する色々な情報をだとってアジア全域を駆け回りました。しかし、娘さんの居場所を六ヵ月後見つけたときはもうすでに手遅れ。彼女は性の奴隷として扱き使われたあげく、逃げ出そうとしたために見せしめとして他の拉致された女性の前で集団強姦されて、結局は殺されていました。この事件をきっかけにヒラー氏は人身売買の問題に関わるようになり、MIISで一年に一度講義をしてくれます。

人身売買は麻薬の密輸に次いで規模が大きい犯罪で、世界で四百四十億ドルにものぼるビジネス。アメリカだけで三十億ドル、日本では八億ドルにも及びます。人身売買は急速にその規模を拡大しています。その理由は、麻薬を密輸するよりリスクが低いことと、麻薬は女性と異なり、一度使えばなくなってしまいます。犯罪組織の多くは麻薬の密輸だけでなく人身売買にも積極的に力を入れてきている傾向があります。

アメリカでは、25万人の性の奴隷がいると推測され、平均年齢は12歳。ヒラー氏はこの女性たちについて語るとき「売春婦」という呼び方は使いません。理由は、売春婦と言えば、この女性たちはまるで自分の意思でその仕事に就いたように聞こえるからです。12歳で売春婦に自分からなりたがる女性などおらず、ほとんどは無理やりその仕事をさせられているので、ヒラー氏は売春婦より奴隷という言葉を使います。

男性も売買されます。性の奴隷のほかに、強制労働や兵士として無理やり働かされて、その規模は売買される女性の数をしのぎます。この問題に取り組むには警察などの組織が必要ですが、アメリカの警察組織はこの問題に対してあまり認識がなく、他の国々において警察自体が人身売買に関わっていることは珍しくありません。人身売買は国際ビジネスであり、その解決策には世界各国の協調が欠かせませんが、残念ながらそういった試みはまだ積極的には進められていません。

私は関西出身なので、夜遅く大阪を歩いていると東南アジアの女性に迫られます。英語で「三十分三千円!」と積極的に声をかけながら、私の腕を引っ張ってでも連れて行こうとします。私はもちろん必ず断るのですが、なぜ日本で外国の女性がこのようなことをしているのでしょうか。こういった女性の多くは人身売買の被害者であり、それにもかかわらず彼女たちが被害者であるという認識はきわめて低いのではないでしょうか。人身売買の解決に取り組む第一歩は、その被害者たちに関する認識を変えていくことだと思います。

モントレー国際大学について

Monterey Institute of International Studies (MIIS) は、かつてはカリフォルニア州の州都でもあったモントレーに、ガスパルド・ウェイス、レムセン・バード、ドワイト・マローJr.の三氏によって1955年に設立された私立の大学院です。もともとはMonterey Institute of Foreign Studiesという名称で、国際理解を語学と文化の勉強によって深めるのを目的とした学校でした。名称が変わった現在でもこの精神はMonterey Instituteの根幹を成す哲学として行き続けています。

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約800名の学生のうち半分は50以上の国からの留学生で、アメリカ国内からの学生も90%が海外での経験を持ち、経験豊富な教授陣も半数は海外から招聘しているため、常に様々な言語が飛び交う国際色豊かなキャンパスです。1990年代までに、 翻訳・通訳のプログラムをはじめ、国際政策のプログラムも世界中で高評価を受け、各国政府機関をはじめ、国連などの国際機関にもたくさんの人材を送り出しています。

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2005年にはアメリカのリベラル・アーツの大学でトップ5に数えられ、言語教育、経済・環境の分野でも有名なMiddlebury大学と提携を開始しました。英語のサポートもしっかりしており、多少TOEFLの点数が足りなかったり、英語に自信のない人でも夏休みのEAPP (English for Academic and Professional Purpose) のプログラムから始める事で、安心して大学院の本格的な授業についていくことができます。非常に親切なスタッフが留学生のお世話をしてくれるので始めて留学する人でも安心です。

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Middlebury Collegeのロゴ

2009年からは、Middlebury大学とモントレー国際大学は完全に統合され、それにともない、プログラムの再編成が行われました。前のブログで載せてた情報から変更があります。具体的には修得できる修士号及び、それらを包括するプログラムの統合が行われました。変更は以下の通り。

◆国際政策・経営プログラム

  • 国際経営学修士号(MBA)
  • 国際政策学修士号(MAIPS)
  • 核非拡散・テロリズム学修士号(MANTS)
  • 行政学修士号(MPA)
  • 国際環境政策学修士号(MAIEP)
  • 学士号とのジョイント修士号

◆翻訳・通訳・言語教育プログラム

  • 翻訳学修士号(MAT)
  • 翻訳・通訳学修士号(MATI)
  • 翻訳・ローカリゼーション管理学修士号(MATLM)
  • 会議通訳学修士号(MACI)
  • 英語教授法修士号(MATESOL)
  • 外国語教授法修士号(MATFL)

MIIS Reorganizationについての資料もついでに載せちゃいます。

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また、このブログの右側のAbout MIISの欄にもモントレー国際大学に関する情報が載っていますので、ご参照下さい。。

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