Monthly Archives: April 2013

デポジション通訳

今回は先週の土曜日に行われた2年生のデポジション(証言録取)通訳の授業についてお話しします。

デポジションとは、裁判に備えて法廷外で証人が宣誓して行なう証言の録取です。このような場では通訳の正確さと厳密さが特に問われます。日本語学科では、ほぼ毎年デポジション通訳の授業が行われています。今年は両学年とも人数が少ないことから、1年生が証人や弁護士の台詞を読む機会を頂きました。2年生は通訳者とチェッカーの役割を担当しました。以前このブログでもご紹介した武田珂代子先生の東京裁判の通訳で説明されたチェッカーの重要性も改めて認識しました。

gavel2年生の期末試験およびプロフェッショナル試験を目前に控えたこの授業に参加するのは、私たち1年生にとってとても良い経験になりました。先輩方にとってはMIISでの勉強の締めのようなもので、間近で先輩方の通訳、ノートテーキング、チェック等を見ることができたのはとても勉強になりました。聞いていて問題が無かったと思う訳も、先生のコメントによるとヌケや付け足しがあるなど、気がつかなかった点が多数指摘されていました。このようなデポジションの場では、本当に一語一句正確に訳しなければいけない事の大切さを痛感しました。

先輩方が逐次も同時通訳も本当に立派にこなせているのを見ると来年の新入生に同じ姿を見せられるかが少し気になります…

TEDxMontereyでの日本語通訳

2013年4月13日にモントレー国際大学院の講堂で、TEDxMontereyというイベントが開かれました。TEDというのは日本でもお馴染みの講演会で、様々な分野(学術、テクノロジー、デザイン、エンターテイメントなど)についてプレゼンターが面白いアイディアや発見を説明してくれるイベントです。TEDxのxは、独自に企画されたという意味で、TED本体に似たような経験ができる場として各地で広まりました。

 

TEDx1TEDxMontereyは、入場券を買って生で聴くこともできるのですが、当日、私はイベントのライブストリーミングで日本語の通訳を聴くことにしました。今回は、2年生のマット・コルピッツさんと森千代さんが同時通訳を担当しました。まず気づいたのが、通訳だけを聴く機会がこれまで少なかったということです。授業中は自分自身が通訳をしているので、必ず原文も聴いています。クラスメートの通訳だけを聴く場合もありますが、原文をphoto (3)考えずに通訳だけに集中するというのは、難しいものです。しかし、今回のTEDxでは、オリジナルのプレゼンは聞かずに通訳だけを聴くことにしました。2年生のお二人は、とても上手な通訳をしていました。文章構成もきれいで、プレゼンの中に出てくる専門用語も確実に押さえていました。オリジナルのプレゼンを聴かない分、通訳に頼り、通訳の重要性を改めて考えさせてくれる機会にもなりました。

 

TEDxMontereyは日本語だけではなく、中国語、韓国語、スペイン語、ドイツ語、フランス語の学生が同時通訳をしました。また、プレゼンのトピックも様々で、日本語通訳のお二人がカバーしたものは、種子銀行の写真撮影、アイデンティティ、アフリカの水問題、小魚や絵本の紹介でした。様々なトピックを取り上げるため準備も大変だと思いますが、準備の大切さも改めて痛感しました。来年はこのようなイベントで通訳ができるように励みたいと思います。

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通訳クラスとの合同プレゼンテーション

皆さん、こんにちは。国際経営学(MBA)専攻の玉井です。今回はモントレー国際大学院の特徴的な授業の様子についてお話していきたいと思います。
MIISのMBAプログラムには、会計学、経済学、統計学のようなビジネス系の必修クラスの他に、外国語のクラスもプログラムに含まれています。通訳・翻訳や英語教授法を専攻していない学生は「English for Academic and Professional Purposes」という英語の授業を取ることが基本になっており、現在の受講生においては主に日本、中国、エジプト、サウジアラビアなど英語圏以外の学生がいます。この授業では英語論文の書き方やプレゼンテーションの仕方などを学ぶことができ、私のような英語圏の大学出身でなかったり英語をメジャーとしていなかった学生にはとても有意義なクラスとなっています。

プレゼンテーションの様子

プレゼンテーションの様子

私が今学期受けている英語の授業は「Intercultural Competence in the US and English Skills Development」といい、文化、人種、宗教、言語など異なる背景から生ずる問題について学ぶことを目的としています。先日4月5日、この授業においてプレゼンテーションセッションがありました。パネリスト6人がそれぞれのテーマに添ったプレゼンテーションを行い、その後パネルディスカッションや質疑応答が行われました。

今回のプレゼンテーションのテーマは「American Dream」だったのですが、

通訳ブース

通訳ブース

各々の発表内容としては、「メディアが与えるアメリカンドリームへの影響」「アフガニスタン移民としてのアメリカンドリーム」「アメリカと中国の成功に対する考え方の比較」「日本の英語教育に対する考察」などでした。プレゼンターの出身国も様々だったため、アメリカンドリームというテーマ一つでも異なる考え方やプレゼンテーションの手法を学ぶことができました。

このプレゼンテーションセッションのユニークな点としては、通訳クラスと合同で行ったということが挙げられます。MIISには会議通訳コースがあり、このようなクラスでは通訳クラスの生徒が同時通訳を行なってくれることがあります。今回のセッションではフランス語通訳クラスと合同で行い、6人のプレゼンターのうち3人が英語、3人がフランス語で発表を行いました。フランス語話者でない参加者はトランシーバーのような機械を装着し、会議場の後方にある専用ブースから同時通訳された英語を聞くことができました。

通訳を聞く機械

通訳を聞く機械

私自身は発表せず観客として参加したのですが、プレゼンターの内容や発表方法をメモしたり質疑応答時に質問をするなど、この貴重な機会を活用することができました。このようなプログラムを越えた合同スタイルの授業は、MIISの卒業生が国際ビジネスの世界や国連、国際機関のような環境で活躍していく上で、視野を広げる効果的なカリキュラムであると感じました。

4月も中旬に差し掛かり、1年目のプログラムもあと少しとなってきましたが、授業や日々の生活から留学生活を充実させたものにして行きたいと思います。

MIIS国際環境政策プログラム(IEP)について

こんにちは。国際環境政策(以下、IEP)専攻2年生の藤木です。
今回は予告通り、IEPの具体的なクラスとその様子や、日々のスケジュール等をお届けします。

IEPのカリキュラムは、必修科目24単位、選択科目24単位及び外国語12単位の、合計60~64単位で構成されています。専門コースとして4コース(ビジネス・サステナビリティと開発、エネルギーと気候変動、自然資源政策とマネジメント、海洋及び沿岸資源管理)が設定されています。詳しい情報はこちらのリンクをご参照ください: http://www.miis.edu/academics/programs/environmentalpolicy/curriculum

必修科目には、「環境政策の為の基礎自然科学」「環境法と政策」等、環境政策を扱うにあたって必要な各分野の基礎を全般的にカバーするクラスが並びます。選択科目には、より専門性の高い科目が用意されています。例えば、私は先学期、ビジネス・サステナビリティと開発コース上にある「ビジネス・サステナビリティと社会」というクラスで、企業のサステナビリティ・アセスメント・プロジェクトとして、4人グループでデンマークの大手商船会社のアセスメントを行いました。アセスメントに必要な要素やツールを授業で学びながら、実際に関係者にインタビュー等をしてペーパーをまとめる、実践的で面白い経験ができました。

必須科目のクラスは15〜30人程度と比較的多人数で講義形式のクラスが多いですが、選択科目は8〜10人程度でディスカッションメインのセミナー形式クラスが大半です。2012年秋学期から、IEPとMBAのジョイント・ディグリー・プログラムが新しく創設され、IEPのクラスを受講するMBAの学生が大幅に増えました。その為、クラス毎の人数は以前より全体的に多くなっている傾向ですが、その分学生の意見の幅も広がり、クラス内でのディスカッション内容も、純粋な環境保護視点からビジネス寄りの視点まで、より多様になったというのが、個人的な見解です。

IEPの大半のクラスにおいて、成績評価はテストではなくペーパーと日々の宿題や授業参加によって行われます。プレゼンテーションが多いのも、IEPの特徴の様です。各クラス最低1〜2回は、個人又はグループでのプレゼンテーションが課されます。

IEP学生の日々のスケジュールは、アメリカの大学院生としてはごく平均的なものではないかと思います。私の1学期目のスケジュールは、月〜木に2時間授業が2コマずつあり、金土日はオフでした。月〜木は授業外時間をほぼ図書館で宿題に費やし、帰宅は通常夜10~12時頃でした。金土日は午前中寝坊して家事や買い出し等をしつつ、再び宿題の続きをする、といった感じでした。2学期目以降の平日も、授業以外はほとんど宿題かグループミーティングのどちらかをしていました。

私の場合、英語ネイティブスピーカーや帰国子女の方達と比べてリーディングのスピードが圧倒的に劣るため、日々大量のリーディングをこなすのに最初は特に苦労しました。英語との奮闘については、次回詳しく書きたいと思います。

最近モントレーはめっきり春らしくなり、ハイキング日和が続いています。写真は、モントレーから車で20分程のところにあるハイキングコースでの一場面です。

Monterey ocean

Garrapata State Park

それではまた。