Monthly Archives: November 2011

入学までにしておいた方が良いこと

みなさん、こんにちは。T&I一年の棚田周子と申します。私は日本の大学を卒業後、東京で3年、ワシントンD.C.で2年、計5年働いてからモントレー国際大学院に来ました。このブログを読んでいる方は、MIISの通訳・翻訳プログラムに興味があり、すでに出願した、もしくは将来出願を考えている方が多いかと思います。今回は、日本語T&Iプログラムを志望している方のために、入学までにしておいた方が良いことについて書こうと思います。

●母国語の強化

英語ネイティブは日本語、日本語ネイティブは英語の勉強にどうしても重点を置きがちですが、母国語が最も大事であることを忘れてはいけません。外国語を勉強している方であれば、一度は聞いたことがあるかも知れませんが、母国語以上に外国語が上達することはありません。英語も日本語も中途半端なままでは、プロの通訳者・翻訳家としては話になりません。特に日本人の留学生は、出願前はTOEFLやIELTSの勉強に集中してしまいがちですが、日本語の新聞の音読やテレビニュースを見るなどして、日本語力の強化に励みましょう。お勧めの勉強方法の一つとしては、朝日新聞の天声人語を毎日書き写すことです。ご存知の方も多いかと思いますが、天声人語は知識・文章力の向上に役立つとよく言われています。私も大学受験の時や、就職活動のときに天声人語を書き写すようにと言われた覚えがありますが、結局モントレーに来てから、天声人語の書き写しを始めました。課題で忙しい時もあるので全文写すのは大変ですが、 出来るだけ毎日全文書き写し、音読するようにしています。 全文でなくても、毎日5分間、1年続けると効果があるそうです。これは英語ネイティブの日本語力強化にもお勧めです。

MIISのホームページには、入学までの語学力の高め方について書かれたページ(「10 Ways to Prepare」)がありますので、そちらも参考までにご覧下さい。

●背景知識

通訳者・翻訳家にとって背景知識は非常に重要です。世界情勢を知っておくことはもちろんのこと、政治、経済、テクノロジー、医療など、ここでは挙げきれないくらい多くのトピックを取り扱います。私自身、MIISに入学してから実際の授業で「もっと背景知識があれば…」と痛感することが多々あります。自分の好きな分野はもちろんのこと、苦手な分野についても雑誌や本、ウェブサイトなのでパラレルリーディング(日本語英語の両方で同じ内容のものを読んでみる)すると非常に勉強になると思います。実際、入学後は課題で忙しく、課題以外の勉強時間を見つけるのが非常に大変です。余裕のある入学前に色々な分野の背景知識を身につけておくと、入学後に役立つかと思います。また、日本語と英語では単位換算や数字の表現が違うため、特に通訳の際には苦労します。早いうちに温度や長さ、距離などの単位換算をマスターし、数字表現を自由自在に言えるようにしておくと楽です。さらに、各国首脳・首都や大洋の名前を覚えることと、国際機関などについて勉強しておくこともお勧めします。

●職務経験

必ずしも職務経験は必要ではありませんが、今年の日本語T&Iの1年生を見ると、大学卒業後2〜3年以上の職務経験がある学生がほとんどです。私は、大学卒業前に「将来通訳・翻訳を勉強する」と決めていたのですが、多くの方から色々な経験があった方が通訳者・翻訳者としての幅が広がるとアドバイスを頂きました。そこで、日本の企業に就職し、転職して海外で働き、大学院に留学するという計画を立てました。実際、大学卒業後は東京にある企業で1年半働き、その後アメリカのワシントンDCにある日本政府機関で2年働き、帰国後は東京の特許法律事務所で1年半働いてからモントレーに来ました。ワシントンD.C.と特許法律事務所では、専門知識や通訳・翻訳業務に通じるスキルを身につけることができましたが、それ以上に、一番最初の会社で日本のビジネスマナーを叩き込まれたことが本当に役立っていると思います。MIISに入学した時点で、先生方は学生のことを「将来の同僚」として見ています。将来の通訳・翻訳のプロとして、時間に正確であることはもちろんのこと、言葉遣いであったり、メールのマナーであったり、些細なことが重要視されています。特に、日本のビジネスマナーは他国に比べて厳しいですが、通訳・翻訳の世界では好まれるマナーだと思います。本で読むよりも、チャンスがあれば実際に働いて、経験してみる方が色々な意味で勉強になると思います。

ここにあるアドバイスはほんの一部にしか過ぎませんが、参考になれば幸いです。すでに出願した方も、これから出願する方も、将来MIISの一員として、みなさんにどこかでお会いできるのを楽しみにしています。

モントレーのファーマーズマーケット

私は南カリフォルニアのアナハイム市に生まれ育ち、大学からは北カリフォルニアのベイエリアで暮らしてきました。日本より少し大きなこの州は、広大な自然と世界をリードする大都市が存在し、様々な国のカルチャーがミックスされた、とてもエキサイティングなところです。

 
そ してこの度モントレー学院に入学し、改めてカリフォルニアの美しさに感動しました。まるで車のコマーシャルに出てくるような壮大な海岸線がつづく17マイ ルドライブ、こじんまりとした高級リゾートの街カーメル、あちこちに点在するワールドクラスのゴルフ場は、ゴルフをしない人でも憧れてしまいます。私はこの素晴らしい環境の中で、これから2年間学び暮らせることを、とても幸せに感じています。

 
では、私が気に入ってるモントレー生活の一部を 紹 介します。一番楽しみにしているのは、毎週火曜日に開かれるファーマーズマーケットです。ダウンタウンの道路が2ブロック歩行者天国になり、ローカルの農 家がブースを出し、新鮮なオーガニック野菜が色とりどり並べられます。その中には今まで目にしたことのない野菜があったりします。農家のおじさんやおばさ ん達はとても親切で、珍しい野菜の説明から調理法まであらゆるアドバイスしてくれます。野菜や果物以外にもおいしいペストリーやケバブ、あらゆる種類のス ナックが売っていて、それを食べ歩きしながらバンドのライブ演奏を聞いていると、もうお祭り気分になってしまいます。

 
こうして毎週ファーマーズマーケットに顔を出していると知り合いも増え、いつの間にかコミュニティの一員なれた感じがしてきます。モントレーは都会とは違い、人との関わり合 いが温かくとても居心地の良い心休まるところです。私は、これからもっとコミュニティ活動に参加して、沢山の出会いしていきたいと思っています。

 

Localization(ローカリゼーション)とは一体なに?

こんにちは。私は翻訳・ローカリゼーション管理専攻一年のイーラムです。
香港出身で、アメリカ生活はちょうど8年目を迎えました。日本語学習歴は約12年です。、時々、自分が英語・日本語の翻訳・ローカリゼーションプログラムにいることを考えると、不思議に感じています。。。

さてさて、翻訳と通訳はよく耳にしますが、「ローカリゼーション」とは何でしょう?

MIISに受かった後、よくあったパターンはこんな感じでした。

イーラム:「やった!念願の大学院に受かった!」
家族/友人/上司/取引先:「おめでとう!で、イーラムは何を勉強するの?」
「翻訳とローカリゼーション管理」
「。。。。え?何それ?」

全然知られていなくてとても寂しいです。。。

ローカリゼーションとは、単純な「翻訳」ではなく、対象となる市場の言葉と文化を考えながら「地域化」することです。例えば、自転車(bicycle)を中国語に翻訳すると言っても、地域によって少し違う言葉が使われています。
例えば…
中国:自行車
香港:単車(漢字は少し違いますが)
香港の人は「自行車」でも分かりますが、違和感を感じます。「自分の言葉ではない」と感じ、その翻訳された言葉にあまり共感できません。意味が通じても、「共感」がないと、いくら「自行車」をプロモーションし、売ろうとしても、成功は難しいかと思います。世界中に、このようなケースは実は多くあります。例えば、スペイン、メキシコ、アルゼンチンで使うスペイン語、それぞれ少し違います。

「ローカリゼーション」は「言葉の適切さ」だけではなく、色々な配慮も必要です。例えば、ウェブサイトなら文字の配列、長さ、読みやすさ、単位の変換(日本円から米ドルなど)、デザイン、文字の色なども考えなければいけません。もちろん、まず根本的翻訳される言語のマーケットに合う商品を作らなければならないケースも多いでしょう。日経ビジネスで結構興味深い記事がいくつありましたので、ご紹介します。

1.「マルちゃんする」とメキシコで独自解釈されたカップ麺
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20101013/216622/

2.世界各地で何が売れるか、“目的地”を示す「地図」が必要だ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20101013/216615/

MIISでは、翻訳とウェブサイトやソフトウェア等のローカリゼーションがメインですが、ビジネスクラスのコース(会計、マーケティングなど)も必修です。さらに、3年で翻訳・ローカリゼーション管理修士号とMBAを取得することも可能です。2年しか時間がない場合、MBAの代りにBusiness Foundation Certificateを取るのもいいアイデアかもしれません。

さて、期末試験はもうすぐです。無事に乗り越えるように、日々翻訳と論文を頑張っています。。。ではでは!