Daily Archives: April 30, 2010

ゲストスピーカー (TESOL) B. Kumaravadivelu

4月30日、サンノゼ州立大学からB. Kumaravadivelu教授をお招きして、「文化の世界的拡大時代にともなうアイデンティティ」という講話をしていただきました。

1時間という限られた時間の中、彼の著書である「Cultural Globalization and Language Education」で提唱されているアイデンティティを考慮した教育へのアプローチを教えていただきました。メインとなる5つの基盤を要約すると以下の通りです。

  1. 特定の言語コミュニティだけに焦点を当てるのではなく、特定文化コミュニティーにも焦点を当てる
  2. 言語生産のみを目標にかかげず、学習者の目標コミュニティの帰属意識も考慮する
  3. 文化に関連した情報提供のみならず、(言語学習に伴う)文化変容も考慮する
  4. 受動的内省にとどまらず、批判的熟考も行う
  5. 与えられたテクストに限定しない、興味深い外からの資料の利用

また、彼は著書「Beyond Methods: Macrostrategies for Language」の中で教師の自省・自己分析・自己診断について言及しています。

講話終了後、Q&Aセッションがあり、私は日本の教育システムについての質問をしました。彼は、今あるシステムで自分らしさを発揮するのは難しいかもしれないが、自分を取り巻く環境に居る一人一人の理解を得られれば将来必ずシステムは変わるはずとのコメントをいただきました。

モントレー国際大学でTESOLを勉強している生徒は将来教壇にたった時、自分のやりたい事を全て出来ないかもしれないが、どこからか手をつけ始める事が大切だともおっしゃりました。

Bridging Communication Gaps (TESOL)

4月30日、TESOL/ TFL 生徒の為のKathy Bailyによる第2回目のワークショップが開催されました。

今回英語スピーキングスキルの正確さ、流暢さ、習熟度に観点を置いた、「Bridging Communication Gaps: Strategies for Speaking」というトピックの下、主にコミュニケーション戦略についての説明と、生徒が実際のクラスでどのようにそれを活用してるかという内容でした。

コミュニケーション戦略は言語学習者が言いたい事を表現できない場合、どのような戦略を使うかというものです。多くの言語学習者は言いたい事があっても、それを上手く表現するレベルに到達してない為、言い表せない事が多くあります。そんな時にこの方法が役に立ちます。

コミュニケーション戦略は主に3つのカテゴリーに分けられ、その1部を紹介したいと思います。

① 特定のトピックの回避戦略

⇒学習者が自身のレベルを把握し、会話の中で表現出来ない内容が出てくる話題を避ける。

② 目的達成戦略

⇒言いたい事を完璧に表現するのではなく、その他の方法に頼る

例)遠回し表現、新造語使用、既に流暢に使える言語(母国語など)からの直訳、教師など自分以外の人に助けを求めるなど

③ 時間稼ぎ戦略

⇒言いたい表現が思いつくまで、”well…”や”Um…”などの表現を利用して発話までの時間を確保する

コミュニケーション戦略の知識は生徒の発話を促し、学習者の言語習熟度アップの手助けとなります。

言語学習に関するwebも紹介されたので、もしよかったらチェックしてみてください。

The International Research Foundation for English Language Education (英語)