Monthly Archives: November 2009

クラスの詳細② (TESOL – Introduction to Classroom Observation)

Introduction to Classroom Observation

Peter Shaw教授による授業で、初級授業研究、基本的能力開発、研究活動に必要な技術を学びます。

Introduction to Classroom Observation #1

学期を通して授業研究の方法を学び、クラスで学んだ内容を課題として与えられる10の授業研究で実践します。半期に1度、3回分の研究レポートを提出します(1学期で合計6回分を提出)。大学院生として、10回実際の語学学校(クラス)に行くのは現実厳しいので、実際の授業を録画したビデオを見たり、モントレー国際大学にある語学クラブ(GO BUILD) に行き、その様子をレポートで書く事もできます。

今学期は、クラスの一環として地元の小学校と高校を訪れて外国語を教えてきました。私は日本人なので日本語を教えてきました。各言語、グループには 4〜5人のメンバーがいるので、準備に携わり実際クラスを教えない生徒はその間他の生徒がクラスを行っている様子を研究しました。Foreign Language Teaching

クラスの詳細 (TESOL – Principles and Practices of Language Teaching)

学期の終わりに近づいてきたので、今学期に履修した授業の詳細を紹介していきたいと思います。以前にも紹介させていただきましたが、今学期に私が履修しているクラスは以下の6つです。毎週1〜2クラスを紹介していきます。

・Principles and Practices of Language Teaching

・Introduction to Classroom Observation

・Language Analysis

・Sociolinguistics

・Educational Research Methods

・CALL and Pedagogy


Principles and Practices of Language Teaching


クラス目標

言語学習者、教育者として自身が何者であるか

言語を担う教育者として、自身のゴールは何か

教師はクラスの中で何をし、なぜそれをするのか

学習者はクラスの中で何をし、なぜそれをするのか

「4技能」とはなにか

どのように上記の技能をクラス内で学習者に実践させるか

以上の5点を反映的に考慮できるようになる為にデザインされています。

また、これらの質問に対する答えを探す為にリーディング、観察に基づく批評、ディスカッション、レッスンプランニングと模擬授業をします。

このクラスで使用する教科書は主に2冊(以下参照)で、他にも指定された論文のリーディングがあります。

① Brown, H. D. (2007). Teaching by principles: An interactive approach to language pedagogy (3rd ed). Harlow, England: London/Pearson ESL.

② Kumaravadivelu, B. (2003). Beyond Methods: Macrostrategies for language teaching. New Haven: Yale University Press.

学期を通しての大きな課題は5つあり、学習者、教育者としての視点を反映する目的で与えられます。

  • Language Learner History

過去から現在に至るまでの言語学習経験について、学習と教授という観点からの小論文を書く。

  • Kumaravadivelu Teaching Activity

著者が提唱する10のMacrostrategyから1つ選び、そのMacrostrategyを反映させた30分のレッスンプランをたて、模擬授業をする。授業はビデオに録画され、フィードバックが他の生徒から与えられる。

  • Classroom Observation

語学学校に行き、クラス観察をする。その後、観察報告とそれをどのように教育現場に反映するか、クラスで学習した内容を交えながら(ex. 課題で与えられたリーディングとどのように関連をもたせるか等)論ずる。

  • Lesson Plan Unit

Kumaravadiveluの提唱するMacrostrategyを最低2つ盛り込んだ2つの連続したプランをペア又は個人で作成する。その他に、日常生活で使われているものをクラス材料として使用し、4技能(reading, writing, listening, reading)の2つ以上を学習内容として盛り込み、異なる学習者の多様な学習スタイルを考慮し、必要とあれば文法事項を学習内容に入れる。

  • Position Paper

5~7 ページで言語学習と言語教授について自身の信条を述べる。

以上の内容が週2回、15週間のサイクルで行われます。

課題の詳細について何か質問がありましたら、コメント欄に記入してください。出来る限り質問に答えられるようにしたいと思います。

ゲストスピーカー (TESOL)

10月下旬、 TESOLのクラスの一つであるPrinciples and Practices of Language Teachingでゲストスピーカーをお迎えしました。今回のテーマはモントレー国際大学に併設されているESLのディレクターによる、ESLプログラムの特色”Project-Based Learning (PBL)”についてでした。

PBTの特徴は以下の10点にまとめられます

  • 学習者中心 ⇨ 生徒は自己の学習に必要な選択を自分で行う。
  • 生徒と教師の役割 ⇨ 典型的な教師が一方的にレクチャーを行うのではなく、学習は生徒と教師の共同作業であり、教師の役割は学習を容易にさせる進行役となる。
  • 学習内容と学習言語の同一性 ⇨ 例えば、①モントレーの観光情報の本などの作成(文章と写真を織り交ぜ、冊子を作成)②トークショー(学習計画のフレームワークのみを与え、生徒の興味で内容を決める)③7 days experiment (外食とお菓子を7日間やめて、それをビデオジャーナルにする。これは、ある有名なテレビ番組の簡易版で、7日間何か決めごとをし、それに徹底的に従った生活を送るというもの。)
  • 4スキル(reading, writing, speaking, listening)の自然集約
  • 過程/結果 ⇨ プロジェクトの達成と、その為に行う様々な作業で使われる言語が実際の言語使用に最も近い学習方法である。
  • 目に見える(明らかな)最終製品 ⇨ ESLプログラムの傾向として、プログラムの最後(プロジェクトの締め切り約1週間前)になるとほとんどの生徒のモチベーションが低下するようになるが、プロジェクト自体が生徒のモチベーションになる。そして、生徒はその実物を卒業式で発表(展示)する。それは生徒の達成感へとつながる。
  • 長期参加 ⇨ 長期的に同じトピックに触れる事により、ゆっくりと、且つ着実に専門知識を獲得する事ができる。
  • グループ作業と個人作業 ⇨ グループ作業は言語使用を奨励する。プロジェクトそれ自体の言語使用だけでなく、そのタスクを達成する為に必要な言語使用も奨励。タスク達成の為の言語(電話での会話など)は実際の言語使用にもっとも近い形である。個人作業は他のグループメンバーに100%依存しない為に必要。
  • リサーチ ⇨ 学習者のレベルは関係ない。例えば、レシピの場合は家族に聞いたり、ガイドブックは現地学習したり、様々な方法が採用される。また、その経過でネイティブスピーカーと接触でき、言語使用と自信につながる
  • 反省(reflection)

この学習方法はただ楽しいだけではなく、考え方・応用の仕方によって多様なレベル、目的にも見合う使い方がある。

以上がモントレー国際大学併設のESLプログラムの特色 “Project-Based Learning”です。