日本の伝統芸能 II:紙切り

先週の落語に続き、他の日本の伝統芸能の「紙切り」を紹介しようと思う。

「紙切り」とは、切り絵とも呼ばれている折り紙のバリエーションの一つであり、洋紙一枚を鋏で様々な形に切り抜く日本の独特の芸能である。紙切り芸人は大抵客からのリクエストに応え、芝居の一場面等古典的なものから、動物やアニメのキャラクターまで多岐にわたる題材を切り、切りあがったものはリクエストした客に供される。

紙切りの起源は、中国で紙が発明されたため、中国にあると考えられている。日本の紙切りは中国からの影響を受け、宴席の余興に謡や音曲と共にする演芸として江戸時代に始まったと言われている。しかし、紙切りが日本で人気が出てきたのは第二次世界大戦後だった。第二次世界大戦後、日本でテレビ放送が始まり、紙切りの芸はあるクイズ番組によって紹介され、人々に注目を浴び始めた。

日本人の中にも、紙切りをただ紙を切ることで、素朴な芸だと思っている人は多いが、それは誤解だ思う。まず、紙切りの芸人は紙一枚しか使わないし、その上、スケッチもせず、一息に様々な形を切り抜く。さらに、切りながら、客の興味を引きつつ、客と巧みな会話をして、時々即興もしなければならない。そして、客からのリクエストがどんなに難しくて、複雑でも、絶対断らず想像力を使って、切り抜いて供さなければならない。

一度紙切りを経験すれば、分かることだが、紙切りは単に紙を切る地味な芸ではなく、客を飽きさせないような対話も重要視している唯一日本に存在する芸能である。

紙切り 林家二楽:

http://www.youtube.com/watch?v=sJ_4uML3vi4

http://www.youtube.com/watch?v=t_pfEYEsOSE

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