健康・サイエンス

介護・医療支援ロボット

今月、トヨタ自動車株式会社(TOYOTA)は足が不自由な人の歩行を助けるため介護・医療支援ロボットを開発したと発表した。麻痺によって歩行が不自由になった人を支援する「自立歩行アシスト」をはじめ、リハビリのために作られた「歩行練習アシスト」、バランス感覚を練習するための「バランス練習アシスト」、ベッドから車椅子などへの移乗を介助する「移乗ケアアシスト」の四機種のロボットを発表した。

「自立歩行アシスト」は大腿部と足裏に歩行者の動作意図を推定するセンサーがあり、膝を曲げたり、前進すたりする動作を支援するものである。トヨタのライバル、本田技研工業株式会社(HONDA)も以前「自立歩行アシスト」のような「リズム歩行アシスト」を開発したが、これとは異なり、「自立歩行アシスト」は膝が体重を支えるなど、もっと高度な機能があるそうだ。

残りの三つはリハビリセンターでの利用計画があるそうだ。「歩行練習アシスト」は歩行データをモニタリングしながら、自然な歩行の習得を支援するシステム、「バランス練習アシスト」はテニス、サッカー、バスケットボールの三つのゲームを楽しみながら、バランスを回復するシステム、「移乗ケアアシスト」は人を抱え、持ち上げて移乗するシステムである。

現在、トヨタは介護・医療支援ロボットによって医療産業に進出しているが、その他にもパーソナル移動支援、製造・ものづくり支援、家事支援のテクノロジーに力を入れているそうだ。様々なテクノロジーで日常生活が向上することはいいけれども、全ての人々が自由に使えるようになるまでには価格の問題など、解決されるべき課題も多い。

[[4]]

イグノーベル賞:わさびの火災警報器

毎年与えられるイグノベール賞はノーベル賞のアメリカのパロディであり、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞である。1991年に創設され、英語で「下品、卑しい、恥ずべき」という意味の“ignoble”をもとにしてイグノベールと名付けられた。

今年のイグノーベル賞の受賞作の一つはわさびの火災警報器だ。わさびの火災警報器はある日本人の研究者のグループによって発明された。現在社会の火災警報器は聴力に依存して作られているため、火災が起こった場合、火災警報器があっても聴覚障害者にやくに立たないことから、研究者は聴覚障害者に警告することができるように嗅覚を使って、新火災警報器を作ろうと考えた。そして、研究者は2000年に滋賀県のある病院の聴覚障害者の協力を得て、発明のための実験を始めた。

まず、31名の聴覚障害者に寝てもらい、焼きたてパン、コーヒー、味噌汁、ミント等の色々な匂いを使って起こそうとしたが、起きなかった聴覚障害者もいた。最後にわさびの匂いを使ってみたら、31人全員が起きた。

研究者は、わさびは非常に刺激の強い匂いがあるが、人体への悪影響はないので、わさびの火災警報器は安全だと結論付けた。わさびの火災警報器の発明はばかげているように見えるかもしれないが、それは本来の火災警報が聞こえない聴覚障害者にとっては素晴らしい発見であると思う。現在の社会はもっと障害者のニーズを考え、製品を開発するべきだと思う。

[[3]]

臓器移植

去年臓器移植法は改正され、7月に発効した。現在は、新しい法律の下で、年齢にかかわらず、誰でも親族の同意があれば臓器提供できるようになった。臓器移植法改正によってドナーの数が少し増えてきたが、臓器移植を待つ患者はまだ多いそうだ。

1997年10月、日本で臓器移植に関する初めての法律が施行された。法律は事前の同意と近親者の同意があれば亡くなった人がドナーになれることを規定した。法律の成立とともに、臓器提供の意思を表示する手段として意思表示カードが配布されるようになり、社団法人日本臓器移植ネットワークも発足した。

しかし、改正の前は供給より臓器の需要が大きく、移植を希望し登録しながらも移植を受けられず死亡する患者が多かった。ドナーの数が少ない理由は、ある医者によると、臓器移植法が厳しすぎるからだそうだ。例えば、この法律では臓器提供のための意思表示可能年齢について何ら規定していなかったが、厚生労働省はドナーの意思表示可能な年齢は民法の遺言可能年齢に準して15歳以上だと通知した。

少数のドナーの問題に対処するため、人々は法律の改正を提案した。しかし、改正に反対した人々は、子供は生と死に関することを自分で決定するには若すぎると考え、親の虐待を受けた子供からの臓器が摘出される可能性も懸念していたのだが、臓器提供の多くの議論にもかかわらず、法律は改正された。

改正法はドナーの年齢制限をなくし、事前の同意がなくても近親者の同意さえあればドナーになることができる。ある統計によると、改正法によって移植の状況は改善され、ドナーが以前8倍になったそうだ。しかし、まだ登録した患者の約93%が臓器移植を待っているという現実があるので、改正法のみで日本の臓器移植の状況を改善できるかどうかはまだ不明である。今後、移植に関する教育によってもっと深い理解と知識が普及すれば、ドナーの増加の可能性も高まるのではないだろうか。

[[2]]

日本の医療保険制度

1950年代から日本は長寿国として知られるようになった。1970年代以来、日本は世界一の長寿国である。遺伝的素因と食事などの文化的な要因は確かに日本の長寿に貢献しているが、生活の質を向上させ、日本の平均寿命を延ばしたのは主に医療保険制度と言われている。

日本の公的な医療保険制度には、の二つのプログラムがある。雇用主からの保険は健康保険といい、国民健康保険は健康保険に入る資格がない人のためのものである。それ以外の保険も利用可能だが、すべての日本国民、永住者、及びすべてのビザで日本に居住している非日本人はこの二つのプログラムのいずれかに登録することが必要だ。

日本の医療保険制度の50周年を記念して、今年ランセットという医学雑誌が日本の長寿に関する特集号を発表した。ランセットによると日本は世界で最も長い平均寿命を維持しているが、将来日本と同様に長寿で有名なスウェーデン、イタリア、オーストラリアなどの他の国が日本を上回るそうだ。その原因として挙げられているのは最近日本では喫煙や自殺の増加である。あるワシントン大学の教授は、最近のこのような傾向が続けば他の国が日本より低い死亡率を達成する可能性が高い上、現在の日本の医療保険制度は日本が直面する健康問題に対処するには不十分だということを理由に日本の医療保険制度の変革を提唱している。

今後、医療保険制度が改善されないかぎり、喫煙、肥満、高齢化等の健康問題は増える一歩なので、日本の厚生労働省は状況を認識して、現在の課題に取り組むべきだと思う。

[[1]]

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *